人生100年時代と認知症

近年、「人生100年時代」という言葉を聞く機会が増えました。政府も「人生100年時代構想会議」というものを立ち上げて真剣に議論しています。
この記事では、人生100年と認知症をひもづけて考えていきたいと思います。

1.人生100年の可能性に関する推計

国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2065年には男性の平均寿命は84.95年、女性は91.35年となるそうです。
この時点ではまだ、平均寿命が男女とも100年に達しているわけではないですね。
英国の学者、リンダ・グラットン氏らが書いた「ライフ・シフト」という書籍で紹介された研究によれば、2007年に生まれた日本の子どもは107歳まで生きる可能性が50%あるとされています。
また、政府も2017年9月に有識者からなる「人生100年時代構想会議」を立ち上げました。
100歳まで生きる人の数は、まだ多数とは言えませんが、年々増えていっているのは事実のようです。

2.100年の人生は幸せなのか?

一方で、2025年には65歳以上の人の5人に1人が認知症になるという試算があります。また、認知症予備軍であるMCIを含めると3人に1人になると言われています。
(MCI=正常と認知症の中間の状態。年間10~30%が認知症に進行する。)

2020年現在においても、100歳まで生きる人のうち、ざっくりと5人に1人は65歳前後から認知症、さらに年齢を重ねていくにつれてもっと多くの人が認知症を患っていることが推測されます。

つまり、人生100年とはいえ、そのすべてを、正常な認知レベルで生きているわけではないという現実が見えてきます。

3.人生100年の経済的な側面

ここまで健康的な側面から見てきましたが、視点を変えて、経済的な側面から見てみましょう。

「老後に必要な資金は、年金だけでは2000万円不足する」という金融庁からの報告がありました。

高齢夫婦 無職世帯の平均的な姿で見ると、
毎月の赤字額は約5万円となっています。

この毎月の赤字額は、
自身が保有する金融資産より補填すること、となります。

20年で約 1300万円、
30年で約 2000万円の、
金融資産の取崩しが必要になります。

夫婦ともに65歳から年金を受けとって、
95歳まで生きるとしたら30年=約2000万円の貯蓄の取り崩しが必要
ということです。

この経済的な問題に対処するひとつの対処方法が、
65歳以降もできるだけ長く働く(月5万円程度の収入で良いので)ということです。
(詳細はこちらの記事をご参照ください)

そのためには、65歳以降の健康レベル(認知度含む)を、労働可能な高いレベルに維持する必要があります。

4.まとめ

ざっと振り返りますと、
人生100年だと仮定した場合、
正常な認知レベルで生きている期間は65歳+α程度、
残りは低下した認知度で生きている。
認知度を維持できない長生きは必ずしも幸せとは言えない

また、長生きには経済的なリスクも伴う。
経済的なリスク軽減のため、できるだけ長く働く必要があるが、
そのためにも、認知度は維
持しく努力をしてなければならない

・・・というのが人生100年時代を正しく生きるひとつの方法と言えるでしょう。

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